眼球の解剖について
整形・運動器系ばっかりで飽きたので、今日は感覚器についての紹介をします。
眼球の水平断のイラストです
いつも下手なイラストですいませんw
それでは始めます。
赤い部分・・・強膜
緑の部分・・・脈絡膜
オレンジの部分・・・網膜
黄色の部分・・・角膜
水色の部分・・・水晶体
A・・・毛様体
B・・・毛様体小体(チン小体)
C・・・黄斑部
D・・・視神経乳頭
E・・・視神経
用語の解説をしていきます。
①水晶体
・カメラでいうレンズの役割をします。水晶体が厚くなると近方調節、薄くなると遠方調節となります。これは理科のレンズの知識があればわかりますよね。ちなみに、水晶体が白濁してしまった状態を白内障といいます。
②虹彩(イラストの水晶体と角膜の間にある緑の部分)
・眼球に入る光の量を調節する役割があります。ちなみに、虹彩の根本には瞳孔散大筋という筋があり、交感神経の興奮によって収縮し、瞳孔を開く機能があります。また、同行の先っぽには瞳孔括約筋という筋肉があります。この筋肉は動眼神経のなかの副交感神経の興奮によって興奮し、瞳孔を収縮(閉じる)機能があります。
③毛様体
・ここには毛様体筋という筋があり、毛様体小体(チン小帯)を介して水晶体の厚さを変化させます。
ちなみに、よく勘違いしがちなのですが、毛様体筋が収縮すると毛様体小体が弛緩し、水晶体は厚くなります。毛様体筋が弛緩すると毛様体小体が緊張し、水晶体が薄くなります。水平断のイラストをみると「逆じゃない?」と思いがちですが(僕も最初はそうでした)、眼球を正面からみたと考えればわかると思います。虹彩は、眼球を正面からみると水晶体を囲むように〇のかたちになってますが、毛様体はこの虹彩につながっているので、毛様体も正面から見ると〇のかたちになってます。毛様体筋が収縮するとこの〇が小さくなる→毛様体と水晶体をつないでいる毛様体小体が弛緩する→水晶体が厚くなるという感じです。毛様体筋が弛緩したときはこの〇が大きくなるので、それに毛様体小体が引っ張られ、水晶体が薄くなります。
④硝子体
・網膜と水晶体にかこまれた空洞の部分です。眼球内圧を保つ機能があります。ここには眼房水という液体が満たされており、網膜や角膜、水槽体を栄養します。眼房水による圧のことを眼圧といい、通常は10~20mmHgくらいです。この眼圧が病的に上昇すると緑内障となります。
⑤視神経乳頭
・視神経の侵入部です。ここには光を感知する網膜がないので、有名な「盲点」を形成します。
⑥黄斑
・錐体細胞(後述)が密に存在しており、視力がいい部分です。
⑦中心窩
・黄斑の中央部のくぼんでるとこです。視軸に一致しており、網膜のなかで最も視力がいい部分です。
⑧錐体細胞
・明るいところでものを見る役割があります。色覚に関与します。
⑨杆体細胞
・薄暗いところでの明暗感覚に関与します。暗所で働きます
眼球のなんとか膜
眼球には先に紹介した強膜、脈絡膜、網膜がありますが、ほかにも名前がついている膜があり、ときどき模試や国試に出たり、他の疾患に理解に必要になったりするので紹介しておきます。
①ぶどう膜
・脈絡膜・毛様体・虹彩の3つを合わせた名称です。イラストでもこの3つはつながってますよね。ぶどう膜炎という疾患があるのですが、この疾患の理解に必要となります。
②眼球外膜
・強膜と角膜のことです。たしかにイラストを見てもこの2つは一番外にあります。
③眼球中膜
・さきほどのぶどう膜の3つです。イラストでも真ん中にありますね。
④眼球内膜
・網膜のことです。一番内側にあります。
感覚器に限った話ではないですが、解剖学や生理学は覚えることがたくさんあります。中には「これ覚えてなくてもよくない?」と思う知識もあるかもしれません。
しかし、そのような知識を覚えておくと、この先の疾患やその治療法を理解するのが楽になります。疾患や治療の基本となる解剖生理の知識があれば、疾患等について丸暗記をせずに、解剖生理の知識を使って理解できます。しかしそれらの知識がないと、疾患別・治療別に暗記しなけばならなくなるので後々大変になりますし、応用問題や実地問題にも対応できません。
大変かもしれませんが、国試前に慌てなくていいように解剖生理の知識はしっかりおさえておきましょう。
参考文献:標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 生理学 解剖学
病気がみえる脳・神経