統合失調症について②
統失の細かい症状に行きましょう。
1.思路障害
①連合弛緩
考えがまとまらない、話し方・考え方に統一感がない、文章のつながりがうまくいかない、支離滅裂
②思考滅裂
連合弛緩が重度になったバージョン
③言葉のサラダ
思考滅裂が重度に進行した状態、言葉のつながりがなく、めちゃくちゃ
④言語新作
自分にしかわからない言葉等をつくる
⑤思考途絶
思考が急に途絶えて続かない(うつ病に思考制止というものがあるので混合注意
国試でも狙われます)
⑥散乱
思考の混乱と興奮
自我障害
①自生思考
考えが自然に頭に浮かぶ
例:突然、世界が破滅するという考えが浮かんだ
②思考吸入
他人の考えが吹き込まれると感じる
③思考奪取
思考が奪われると感じる
④思考伝播
思考が他人に伝わっていると感じる
⑤作為体験
他人に動かされている・操られている(させられ体験)
妄想
①被害妄想
②関係妄想
無関係なことに自分を関係づける
例:他人が笑いながら話しているのをみて、自分が笑われていると思う
③注察妄想
観察・注目されていると感じる
④心気妄想
身体に関する妄想
例:脳が溶ける、腕が抜ける
⑤誇大妄想
自分を過大評価
⑥血統妄想
高貴な血統だと確信する
⑦恋愛妄想
他人・異性が自分のことをすきだと確信する
ちなみに、妄想には一次・二次妄想があります
1.一次妄想
①妄想気分→ただ事でない不気味な気分
国試では「不気味に感じられる」などのワードがキーワードになります
②妄想知覚→知覚した対象に異常な意味づけをする
例:雨が降り始めたのを見て「親が死んだ」と感じる
国試では「~を見る・聞く」などがキーワードです
③妄想着想→考えが突然浮かぶ、直感的に確信する
例:突然、「自分は世界を助ける運命にあるのだ」と確信する
国試では「突然」「根拠なく」「確信する」がキーワードです
2.二次妄想
①被害妄想
②誇大妄想
自我障害
・離人症
自分が存在する実感がない、周りの風景に実感がわかない、身の回りのものが無機質に感じる
知覚障害
①幻覚
②考想化声
自分の考えが他人の声になって聞こえてくる
感情障害
①感情鈍麻
無関心・鈍麻
②多幸
満足していて爽快な気分
③アンビバレンス(両価性)
同じ対象に対して対立する感情を同時に抱くこと
(ちなみに、西郷隆盛は統失だったかはわかりませんが、アンビバレンスなところがあったと思います。西郷隆盛は大久保利通や木戸孝允とともに廃藩置県を推し進め、武士の廃止に関わりました。しかし西郷は、同時に武士や武士道というものが好きで、それが明治政府に不満を持つ原因となり、明治六年の政変や西南戦争に繋がっていったのかな、と個人的に思います。)
意欲・行動障害
①昏迷
意識障害はないのに意思の発動も行動もない状態
②常同症
同じ行動や姿勢、言葉を繰り返す。
たくさん紹介してきましたが、「この分類にこの症状がある」という感じではなく、「統失には~という名前の症状があって、具体的には~という症状だ」というのを大腿頭に入れておけば割とスラスラ解けると思います。
次で統失は終わりです!