理学療法士国家試験対策につかえるブログ

理学療法士国家試験に使えそうな知識を大学院生の僕が紹介していくブログです

成人の大腿骨・寛骨臼蓋の評価について

 画像上での成人の大腿骨・寛骨臼蓋の評価について紹介します。

1.大腿骨

①頚体角

画像のAの角度です。頸部軸と骨幹部軸のなす角度です。成人ではだいたい120~130°くらいです。ちなみに、頚体角が大きいと脱臼しやすいといわれています。

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頚体角

 

②前捻角

画像のBの角度です。大腿骨頸部は若干前方にねじれてるのですが、それを表す角度です。大腿骨の内側顆と外側顆の中心同士を結んだ線(大腿骨の前額面)と大腿骨頸部軸から成ります。成人では10~15°くらいです。小児では30°くらいです。

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前捻角

 

③臼蓋角(シャープ角)

Cの角度です。涙痕(緑で塗った場所)下縁と臼蓋外側縁を結ぶ線と、左右両側の涙痕を結ぶ線からなる角度です。正常は20~25°くらいです。30°以上になると臼蓋形成不全が疑われます。

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臼蓋角

 

④CE角

Dの角度です。大腿骨頭の中心を通る垂線と、骨頭中心と臼蓋外側縁を結んだ線からなる角度です。25~35°くらいが正常で、20°以下では臼蓋形成不全や骨頭位置の不良が疑われます。

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CE角

 

他にもナントカ線とかいろいろあるのですが、後日紹介します。

 

参考文献:クエスチョンバンク 理学療法士 国家試験問題集2019

 

クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説 2019

クエスチョン・バンク 理学療法士国家試験問題解説 2019

 

 

骨の代謝に関与するホルモン

骨の代謝に関与するホルモンを紹介します。

「ホルモン名(分泌部位)-働き」って感じで紹介します。

働きは、骨に直接関係しそうなやつだけ紹介します。

 

骨吸収に関与するホルモン

①パラソルモン(副甲状腺上皮小体))-骨吸収による血中カルシウム濃度の増加、腎臓でのリンの再吸収抑制、排出促進

コルチゾール(副腎皮質)-カルシウム吸収抑制

 

骨形成に関与するホルモン

①カルシトニン(甲状腺)-骨形成による血中カルシウム濃度の低下、破骨細胞抑制

②成長ホルモン(下垂体前葉)-種々の成長促進

エストロゲン(卵胞)-破骨細胞の抑制

 

ちなみに、卵胞から分泌されるエストロゲンは、閉経後に分泌が急激に減少します。骨粗鬆症が女性に多い原因の一つです。

 

参考文献

・標準理学療法学・作業療法学 生理学

・病気がみえる 糖尿病・代謝・内分泌

 

 

病気がみえる vol.3: 糖尿病・代謝・内分泌

病気がみえる vol.3: 糖尿病・代謝・内分泌

 

 

標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 生理学 第5版

標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 生理学 第5版

 

 

骨折の治癒過程について

骨折の治癒過程について説明します。

 

これは教科書や参考書等の絵をみながら覚えたほうが分かりやすいので、言葉と説明だけ簡単にします。

 

1.炎症期・・・血種が形成

2.修復期前半・・・肉芽組織が出現。骨芽細胞による化骨形成(膜性骨化)

3.修復期後半・・・肉芽組織内に軟骨が誘導され、それを中心に骨化が始まる(内軟骨骨化)

4.再造型期(リモデリング期)・・・吸収と再生を繰り返し、海綿骨や緻密骨が形成されていく

 

ちなみに、再造型期(リモデリング期)には適度な力学的負荷が関与しています。

 

炎症の過程についてはまた説明します。

 

参考文献

・運動器障害理学療法学テキスト

 

運動器障害理学療法学テキスト(改訂第2版) (シンプル理学療法学シリーズ)

運動器障害理学療法学テキスト(改訂第2版) (シンプル理学療法学シリーズ)

 

 

骨の疾患

今日は骨の疾患について説明します。骨の疾患はたくさんあるのですが、今日は骨軟化症という病気を説明します。

 

骨軟化症とは、簡単にいうと骨の石灰化不全です。小児ではくる病とも呼ばれます。

 

まずは、この疾患の説明に必要なビタミンであるビタミンDについて説明します。

ビタミンD脂溶性ビタミンの一つで、コレステロールを材料として、紫外線(日光)に当たることで体内で合成されます。合成されたビタミンD肝臓や腎臓で「水酸化」され、活性型ビタミンDというものになります。この活性型ビタミンDは、腎臓でのカルシウムやリン酸の再吸収、腸でのカルシウムの吸収を促進します。つまり、活性型ビタミンDは骨の形成に必要なカルシウムの確保に働きます

 

骨軟化症は、このビタミンDの不足、ビタミンDの活性化障害、リンの欠乏によって生じます

カルシウムを確保するビタミンDの不足、骨を構成する物質であるリンが欠乏することにより、骨芽細胞が骨形成をするさいに分泌するヒドロキシアパタイト(リン酸カルシウム塩)が不足します。

前回説明したように、骨形成は、まず骨芽細胞がコラーゲン(有機成分)を分泌して類骨(鉄筋みたいな役割)をつくり、次にヒドロキシアパタイト(セメントみたいな役割)を類骨に沈着させることで行われます。

しかし、鉄筋の役割を果たす類骨は作られるけど、セメントの役割を果たすヒドロキシアパタイトが不足すると、類骨だけになってしまいます。これは鉄筋だけのビルのようなもので、ぐにゃぐにゃになりますよね。この状態を骨軟化症といいます。

 

骨軟化症の症状

・骨の自発痛、圧痛

・筋力低下

・骨折

 

くる病の症状

・脊柱側彎

・鳩胸、漏斗胸

・関節腫大

・O脚、X脚

・低身長

 

上記の発生機序や代表的な症状は国試にも模試にも出題されたことがあるので、チェックしてみて下さい。

 

参考文献

・クエスチョンバンク 理学療法士作業療法士 国家試験問題解説2019

・病気がみえる 運動器・整形外科

 

クエスチョン・バンク 理学療法士・作業療法士国家試験問題解説 2019

クエスチョン・バンク 理学療法士・作業療法士国家試験問題解説 2019

 

 

 

病気がみえるvol.11 運動器・整形外科

病気がみえるvol.11 運動器・整形外科

 

 

 

 

骨の形成と吸収

今日は骨の形成と吸収について説明しようとおもいます。

 

まず、骨形成とは、その名の通り骨を形成する過程のことです。骨吸収は骨を壊す過程のことです(「吸収」だからカルシウムを吸収する感じで骨を作るの?と思いがちですが・・・)。

 

骨形成(石灰化)

骨は主にヒドロキシアパタイト(リン酸カルシウム塩)類骨(コラーゲン・糖タンパク)から成ります。類骨とは石灰化していない骨気質のことです。

骨形成では骨芽細胞が働きます

①骨芽細胞が基質小胞(ヒドロキシアパタイトを含む物質)と有機成分(コラーゲンとか)を分泌します

有機成分が類骨を形成します

③基質小胞のなかでヒドロキシアパタイトが合成され、類骨に結合します

④ヒドロキシアパタイトの沈着が進み、類骨が石灰化します

⑤骨完成!

ちなみに、①~⑤の過程を石灰化といいます。

 

物質名がいろいろ出てきましたが、簡単に言えば、ヒドロキシアパタイトがセメント、類骨が鉄筋って感じです。鉄筋(類骨)で形を作り、セメント(ヒドロキシアパタイト)でそれを固めるようなイメージで大丈夫だと思います!

 

骨吸収

骨吸収は破骨細胞によって行われます。

破骨細胞遊走能をもつ多核の巨細胞で、骨の表面にいます(ちなみに、この「遊走能」もつ「多核の巨細胞」という特徴は模試や実際の国試で出題されてた気がします)。

この破骨細胞古い骨質を取り除く能力があります。

具体的には、骨のリンやカルシウムイオンを血漿内に供給します(血漿内に流していしまいます)。

 

骨は上記の骨形成(石灰化)と骨吸収をバランスよく繰り返して代謝を行っています。このバランスが崩れたり、骨を構成する成分が欠乏したりすると起こる病気がいくつかあるのですが、次の記事ではそれを紹介しようと思います。ホルモンとか生理学的なことが関わってくるのですが、それもついでに説明します。

 

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骨の解剖

骨の解剖について解説したいと思います

 

まずは骨の解剖学でよくみる単語です

1.骨膜

2.骨内膜

3.骨単位

4.ハバース管

5.フォルクマン管

6.骨芽細胞

7.破骨細胞

8.海綿質

9.緻密質

 

有名どころはこのくらいですかね。

1.骨膜

骨膜はその名の通り骨の膜ですね。関節以外の骨表面を覆っています。

骨膜には神経や血管が豊富にあります。骨折の際はこの神経が損傷し、疼痛が生じます。

 

2.骨内膜

骨(特に長管骨)の骨幹のなかは空洞(髄腔)があり、ここには骨髄があります。この髄腔に向かう骨室の内面は骨内膜で覆われています。また、骨髄のとこは天井の梁のような組織があるため、骨梁と呼ばれます(解剖学の教科書に絵が載ってるはずです)。

ちなみに骨髄についてですが、赤ちゃんや幼児の時は骨髄が赤く、赤色骨髄と呼ばれます。そして、成人になると四肢の長管骨の骨髄は黄色くなり、黄色骨髄と呼ばれるようになります。赤色骨髄には造血機能がありますが、黄色骨髄では脂肪化しているため造血機能がありません。「じゃあ、大人になったら造血機能がなくなるじゃん!」と思うかもしれませんが、椎骨、胸骨、踵骨、肋骨、腸骨等はお年寄りになっても赤色のままなので大丈夫です。四肢の長管骨の骨髄が黄色骨髄になると覚えておけば大丈夫です。

 

3.4.5.骨単位、ハバース管、フォルクマン管

骨表面の緻密質には血管を通すためのトンネルのようなものがあるのですが、これをハバース管とフォルクマン管とよびます。ハバース管は長軸方向のトンネルで、フォルクマン管は短軸方向のトンネルです。イメージとしては、骨表面から横方向にフォルクマン管で入って、縦方向のハバース管につながる感じです。

ハバース管の周りには骨質が層状・同心円状に形成されていて、円柱みたいになっているのですが、この円s中のひとつひとつを骨単位(オステオン)またはハバース系といいます。

 

6.骨芽細胞

簡単に言うと骨を作る細胞です。

骨の形成とかホルモンとかを説明するときにまた詳しく紹介しようと思います。

 

7.破骨細胞

簡単にいうと骨を壊す細胞です。

これもまた紹介します。

 

8.海綿質

骨の内面にある組織です。名前から想定できるように綿っぽい(網っぽい?)見た目の組織です。海綿質は網状になった骨質で、網の空洞になってる部分に骨髄が満たされてます。長管骨の骨端に多くみられます骨幹では少ないです。

 

9.緻密質

骨の表層部にある組織です。その名の通り緻密な組織ですね。この組織は骨幹で分厚く、骨端では薄くなっています。

 

参考文献:標準理学療法作業療法学 解剖学、病気がみえる 運動器・整形外科

 

 

初回はこのくらいですかね。意外と最近忙しくて更新が大変ですが頑張ります。手書きのイラスト(笑)もいつか載せようとおもいますが、あくまでも自分の復習用なので分かりづらいかもしれません。

 

 

 

病気がみえるvol.11 運動器・整形外科

病気がみえるvol.11 運動器・整形外科

 

 

解剖学 第4版 (標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野)

解剖学 第4版 (標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野)

 

 

 

 

自己紹介パート2とブログについて

自己紹介の続き?進学に至った経緯を少し・・

 

進学した理由は、今後の自分の人生をなんとか変えたかったというのが一番です。

大学3年生になったばかりの頃、卒業して定年までPTとして働くという今後の自分の未来が見えちゃった気がして、嫌になったんですよね・・・。中学生の頃や高校生の頃は未来が未定で、というより未定だからこそ夢見ることができてたのに、PTになるための大学に入ると、将来は定年までずっとPTだよなって考えちゃって(ほんとはいろんな選択肢があるんですけどね。当時は物事を広い範囲で考えられなかったw)。

 

当時は、何とかこの未来を変えたいなと思ってましたね。大学を辞めようかと思ったこともあったり・・・(もっとも、食べていくためにも取り敢えず資格は取りたかったので、とりあえず卒業はしようかなという決断になりましたが)。

 

そんなことを考えながら暮らしているうちに、「進学して、修士とか博士とかとったら選択肢が広がるんじゃね?」と思うようになりました。そして大嫌いで大の苦手科目だった英語の勉強をはじめました。

 

そして、実習とかもしながら勉強を細々と続け、研究室の見学にもいくつか行き、進学先を決め、院試を受験し、合格って感じです。

 

いまは取り敢えず研究とか勉強をがんばろうって感じです。PTとしての臨床の経験ができない分、この大学院の期間を有効に使って、PTとして働いてる同級生に負けない武器を手にしたいなと思ってます。

 

終了後は博士課程に進学しようか、それとも就職か、はたまた両方か・・・。まだ未定ですね。

 

でも、将来的には、働いてお金貯めてもう一度大学に行きたいなぁとぼんやり考えてます。

 

 

ブログについて

このブログでは、国試対策に使えそうな知識を僕の復習がてら紹介していきます。具体的には、僕が国試対策としてまとめてたノートから紹介しようと思います(僕はこの自分でまとめたノートを中心に勉強し、国試本番の得点率が85%でした)。なるべく分野別・疾患別にまとめようと思うので是非参考にしてください!

あと、もう一度大学に行くための勉強もしているので、そちらの進捗ものせるかもです。

 

国試の勉強や院試に関する質問、解説してほしい問題や説明してほしいものがあるときは、コメント等で知らせてもらえば可能な限り回答するのでよろしくお願いします!!

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国試の公式の結果です(ちょっとぼかしてます)